その他Tanuma Animal Hospital

断脚

断脚は今現在も痛みで苦しんでいる犬猫達が、断脚手術以外では痛みを取り除けない場合に実施します。

 

断脚の要因

交通事故による怪我や壊死、一番多い要因として悪性腫瘍によって断脚を行う事があります。
中でも多いのは犬の骨肉腫です。四肢にできる骨肉腫は悪性度が高い腫瘍です。
悪性腫瘍に関しては、断脚術が必須である場合と、マージンを取ることのできないために断脚術が選ばれることがあります。

 

手術方法

メスで切り口を入れていき、鼠径部の大きな動脈を結紮します。これで足に流れる血液の量を減らします。次に大きな静脈を結紮します。

次に、股関節にアプローチするために筋肉を切断していきます。その後に股関節を離断します。
股関節を離断した後、外側の筋肉を離断します。
切断後は周囲の筋肉や脂肪を集めて縫合します。

断脚した後肢

 

術後の管理

術後は痛みの管理を行います。歩けるまでの時間は個人差がありますが、リハビリを行いサポートしていきます。 一週間から二週間ほど病院で様子を見させて頂き、抜糸を行うまでは傷口を舐めないようエリザベスカラーを付けます。

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは

鼠径ヘルニアとはおなかの中の腸や膀胱、子宮などの臓器や脂肪組織が鼠径部にある鼠径管から出てしまっている状態です。出ている穴の部分をヘルニア孔といいます。

飼い主様が気づく症状としてやわらかくポコっとしたものが後肢の付け根の内側から出ている状態です。一般に片側での発生が多いですが、両側に発生する事もあります。

また、若齢では雄、高齢では雌に多くみられます。

 

後部腹壁ヘルニアは脱出する部分によって、鼠径ヘルニア、陰嚢ヘルニア、大腿ヘルニアと分類させます。

発生のメカニズムとしては元から持っている子と後から出てくる子と分かれますが、後から出てくる子のほとんどが外傷性です。犬では、陰嚢ヘルニアや大腿ヘルニアに比べて鼠径ヘルニアになる確率が比較的多いです。

 

これらのヘルニアは鼠径部や陰嚢部がポコっと腫れているだけなので、肉眼だけで明確に判断するのは難しい事があります。

鼠径へルアでは、ヘルニア孔に挟まりこんで、お腹の中に戻らなくなる状態による腸管壊死が発生する可能性だけではなく、ヘルニア孔から出てきている腸管が外傷を受けて穴があいてしまう可能性があるため、早期の外科処置を勧めています。
 

なりやすい犬種

バセンジ―

ペキニーズ

バセット・ハウンド

ケア―ン・テリア

ウエスティー など

 

症状

ヘルニアになったとしても、痛みを示すことはほとんどありません。 しかし、ヘルニア孔から出てきているものがお腹の中に戻らなくなる状態になった場合、痛みが発生し、嘔吐や元気消失、食欲不振等の症状を伴う事があります。この状態になると生命を脅かす問題になりかねませんので、手術による治療を考慮する必要があります。

 

診断方法

1動物を仰向けに保定をし、臍のほうから陰部のあたりまで毛を刈り、消毒していきます。

 

2ヘルニア孔の直上を腫脹している皮膚及び皮下組織を切開し、ヘルニア嚢とその頸部を露出して、ヘルニア孔の構造をしっかりと確認します。

3ヘルニア嚢を小切開し、ヘルニアの内容が損傷していないかを確認し、腹腔内に戻します。戻した後は、ヘルニア孔を露出します。

4ヘルニア孔を縫合していきます。

 

術後

約一週間前後病院で様子をみさせていただきます。特に問題がなければお家で様子を見ていただき、一週間後に抜糸です。その間は傷口を舐めないようにエリザベスカラーの着用が必要です。

脾臓摘出

脾臓は胃の隣にある臓器であり、役割は造血機能、免疫機能、血球の破壊および血液の貯蔵機能があります。

脾臓は血管系の臓器であり、胃の尾側に位置する細長い舌のような形をしています。

1 免疫系の調節:免疫系として体の中で最大の臓器であり、多数のリンパ組織があり病原体の処理や抗体を産生して免疫力を高めたりしています。

2 血液の再処理工場:古くなった血液細胞や病気で変形した赤血球などを破壊して、その中から新しい細胞の材料を取り出す重要な役割をしています。肝臓にも同様の役割があります。

3 血液の貯蔵庫:体の中を循環する血液の30%までを貯蔵することができ、急な出血などの場合は貯蔵した血液を放出して循環血液量を調節します。

4 髄外造血:血液を作り出すのは主に骨髄ですが脾臓にも造血組織があり、白血病などで骨髄がうまく血液を作れなくなった時などに造血を行うことがあります。

原因

脾臓摘出の手術の多くは、悪性の腫瘍を伴う場合に考慮します。特に脾臓の腫瘍は出血を伴うことも多く、その際は緊急手術が必要になります。

脾臓の腫瘍の多くはリンパ腫または血管肉腫になります。

 

症状

持続的な出血によって貧血を起こし元気がなくなります。さらに、出血量が多いと血圧が下がってしまい危険なショック状態となることもあります。

また、血管肉腫では血を止める機序(止血系)に異常をきたし、出血を起こすのと同時に血が固まりやすくなり、血栓塞栓症を起こすことも知られています。このような状態を播種内血管内凝固症候群(DIC)といい、体の重要な臓器に血栓が詰まると臓器の機能が著しく低下し、治療が困難となることがあります。

 

診断

血管肉腫に限らず、超音波検査などで脾臓にしこりが発見された場合、確定診断は脾臓を摘出した後の病理検査で行います。

 

手術

脾臓は摘出しても問題ない臓器のひとつです。主に免疫系の役割を果たしていますが、体には役目を代替できるリンパ節が多数ありますので、摘出自体は問題ありません。

脾臓にはたくさんの血管が入り込んでいますので、その血管を止血しながら切除します。

 

当院ではシーリングシステムを使用することで安全に止血をしながら手術を実施することができます。

腹腔内の出血程度のより、脾臓摘出後に生理食塩水を使用して洗浄します。その後閉腹します。

 

術後

手術についてはおよそ問題なく終了し、退院時には元気になっていることがほとんどです。
ただし、その後の経過については摘出した脾臓の病理検査結果によりかなり左右します。


リンパ腫の場合は、抗癌剤での治療を考慮します。

血管肉腫の場合は、他臓器への転移がないかよく確認しておく必要があります。
他臓器へ転移し、再出血が起こった場合はかなり予後が悪くなります。

 

上記のような悪い場合だけでなく、過形成や良性腫瘍のように安心できるタイプもあります。
良性か悪性かは画像や肉眼だけではなかなか判断がつかないことが多く、経過を知るうえで病理検査は必須になります。

断尾

断尾する理由

予防医学としての断尾
例えば、猟犬はしっぽを左右に振りながら深い茂みや藪の中を移動すると、途中でとげの付いた植物などと接触して擦り傷を作り、そこから何らかの感染症にかかる危険性があります。また牧羊犬は、家畜の群れを統率する際、牛やウマやヒツジにしっぽを踏みつけられて怪我を負う可能性があります。またしっぽは解剖学的に肛門の近くにあることからウンチがつきやすく、不衛生になるという側面もあります。
こうした健康面に対する配慮から断尾を行う場合が、予防医学的観点からの断尾です。

美容目的の断尾
犬には、犬種によってスタンダードと呼ばれる理想的な体型がそれぞれ定められています。この理想的な形に合わせるために断尾する犬種も存在します。
スタンダードが定められていることから、尻尾が長いとその犬種らしさが損なわれるとして貰い手が付きにくくなるというケースもあります。現在でも断尾が行われているのは、この「見た目」を調整するためであるケースが多いです。これが美容目的の断尾です。

 

断尾されている犬種

トイプードル

ウェルシュコーギーペンブローク
ジャックラッセルテリア
ヨークシャーテリア
ドーベルマン
ミニチュアピンシャー
アメリカンコッカースパニエル
イングリッシュコッカースパニエル
ポインター
など

 

※当院では美容や予防目的での断尾は行っておりません。

 

断尾方法

結紮法

結紮法(けっさつほう)とは、しっぽをゴムバンドできつく締め付けて血流を遮断し、結び目以降の組織を壊死(えし)させて自然に脱落させる方法です。およそ3日でしっぽが脱落します。

 

切断法

外科的にメスやはさみなどでしっぽを任意の場所で切り落とす方法です。 当院では、切断法を用いて切除していきます。

 

術後

切った場所を縫合しますので、なめたりして傷口が開かないようにエリザベスカラーをしていただきます。 一週間後に様子を見させて頂き、問題なければ抜糸を行います。

会陰ヘルニア


犬の会陰ヘルニアは、中~高年齢で未去勢の小型犬または中型犬に多発する、外科的整復が必要とされる疾患です。
コーギー、ミニチュアダックスフンド、マルチーズ、トイプードル、などが主な好発犬種ですが、その他の犬種にも発生が見られることもあります。
 

会陰ヘルニアとは精巣ホルモンの影響により、骨盤腔を構成している筋肉が菲薄化・委縮することで発生します。
初期に便が出にくい、血が混じるなどの症状が見られますが、進行すると会陰部が便塊の貯留した直腸により腫脹し、重篤な排便障害を起こします。
さらに最悪の場合、膀胱・前立腺・小腸などが会陰部に脱出して、致命的な状態に陥ることもあります。
 

会陰ヘルニアの手術の目的は、菲薄化・委縮した筋肉修復し、ヘルニア孔を塞ぐことで、蛇行した直腸を正常の位置へ戻す事です。


当院ではポリプロピレンメッシュを用いた整復方法を用いています。
メッシュを菲薄化した筋肉の代用になるように縫い合わせ固定していきます。
また膀胱・前立腺・小腸などの会陰部への逸脱が見られる症例に対しては、必ず開腹をして正常な位置に臓器を戻し、再脱出しないように腹壁に固定する必要があります。
 

術後管理としては、感染予防のため抗生物質の投与、腫脹が見られた場合には短期間の副腎皮質ステロイド剤の投与を行います。
会陰ヘルニアの整復術には様々な方法がありますが、ポリプロピレンメッシュを用いた整復術は他の方法に比べ、明らかに再発率を抑えた方法の一つと思われます。
発生の予防・再発には去勢手術が一つの有効な手段と考えられています。

臍ヘルニア


臍ヘルニアは犬猫でよくみられる奇形です。お臍の部分の腹筋が閉じておらず、穴が開いた状態となっています。そこから腹腔内の脂肪や内臓が脱出してきて皮下が膨らみます。押し込むと腹腔内に戻りますが、また出てきます。通常は痛みなどはありません。

手術を急ぐべきかどうかの判断は穴の大きさによって変わってきます。穴が小さければ脂肪だけが出てきますが、そのような場合は無治療で経過を見ていっても問題はありません。ただ、将来的に穴が大きくなったり炎症を起こしたりといったことも起こり得ますので、避妊や去勢などの際に同時に手術しておいたほうが安心であると言えます。
 

穴が大きくて腸が出てくるような状態であれば、早めの手術が勧められます。腸が穴にはさまって戻らなくなった場合などは命に関わり、緊急手術が必要となります。
 

膨らんでいる部分がいつもは柔らかいのに硬くなっていたり、押しても腹腔内に戻らなくなっていたり、痛みがあったりする場合は緊急性が高いと考えられますので、早急に動物病院を受診してください。それ以外の場合については折を見ての手術ということになります。

 

原因

先天性がほとんどで、親犬が臍ヘルニアである場合にかなりの確率で子犬が発症します。通常、腹腔から臍へと繋がる穴が子犬の成長と共に塞がるものですが、臍ヘルニアの場合、これが塞がらずに脂肪や大網、腸管が飛び出してしまいます。
 

予防法

臍ヘルニアの予防法は残念ながらありません。しかし、早期発見・早期治療で腸閉塞の危険を回避できます。やはり普段から、犬の観察やおなか周りなどに触ることを習慣づけることで早期発見に繋がります。
 

治療

ヘルニア内容が腸など腹腔内の臓器であれば緊急に手術を実施いたします。ヘルニア内容が脂肪など影響の少ない組織で嵌頓(腸管などの内臓器官が、腹壁の間隙(かんげき)から脱出し、もとに戻らなくなった状態)による痛みだけの場合や嵌頓せずにお腹とヘルニア内の出入りが容易な臓器であれば早めに外科的整復をいたします。症状のないものであれば手術せずに経過を観察することも多く、不妊去勢手術など、何らかの手術に付随して整復することがしばしばです。
手術はヘルニアの周りの組織を剥離(はくり)して、ヘルニア嚢(のう、ヘルニア内容を入れている袋状の膜)を切開してヘルニア内容を切除するかお腹の中に戻した後、腹膜を縫合してヘルニア輪で囲まれた穴をふさぎます。
 

術後

エリザベスカラーをしっかりしていただき、1週間後に抜糸が必要です。
 

 

当院の手術実績一覧

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