コラム
マダニから感染する感染症と熱中症について
◆マダニの感染症について
暑いくらいの陽気になったこの季節、フィラリアと同様にノミやマダニも活動期を迎え予防されている方も多いと思います。そこで今回は最近話題になっているマダニから感染する感染症「SFTS」についてお話します。
「SFTS」とは・・・
SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染する感染症で人に感染すると発熱、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状が起きることもあり、最悪の場合死に至ると言われています。
「SFTS」に感染しない為にはマダニに咬まれないように予防することが重要です!
散歩の際に山野や草むらに入る場合には、長袖長ズボン、帽子を着用するなど肌の露出をさけましょう。
特にワンちゃんとネコちゃんは咬まれる可能性が高く自分で予防出来ない為、予防薬で予防をお勧めします。
また、犬猫についてしまったマダニが人に移り咬みつくこともある為、散歩から帰った際には、犬猫の被毛の薄い目・鼻・耳・指の間などを重点的に観察し、人・犬猫共にマダニに咬まれていないかチェックしましょう!
もしも咬まれていた場合、無理に引き抜こうとすると皮膚にマダニの一部が残ってしまい感染が起こる可能性があります。そのままの状態で医師・獣医師の診察を受けましょう。
マダニは「SFTS」の他にも様々な病気の感染源ですので、皆さまの健康のためにもワンちゃんネコちゃんとともに注意をしていきましょう!
◆熱中症について
最近、日中はとても暑く、熱中症が話題になっていますね。人だけでなく、犬も熱中症に注意が必要です!
わんちゃんの平熱は38~9℃と人より高く、犬種によっては全身を被毛でおおわれているので人間よりも数段暑さに弱いのです。
症状としては
・口を大きく開けて、息苦しそうに呼吸をする
・よだれを大量に出す
・嘔吐、下痢をする
・一時的にふらついて倒れてしまう
・充血が起こる
さらに進行した場合
・失神、ふるえが見られる
・意識がなくなる
・けいれん発作を起こす
症状がかなり進行すると
・吐血や血便、血尿といった出血症状
・チアノーゼを起こす
最悪の場合はショック症状を起こし、命に関わることもあります。
熱中症をひきおこす原因として多いのは以下の場合です。
●蒸し暑い日に車内での留守番
犬の熱中症の原因でもっとも多いのが、車内での留守番です。日差しの強い日中、エアコンをつけずに停車した車内は、熱がこもり温度が急上昇します。そのような車内では、たった数分で熱中症になってしまうことがあります。エアコンの代わりに窓を少し開けたとしても換気が十分ではない上、不慣れな車内での留守番に犬が興奮し、発症してしまうこともあります。
●閉め切った室内での留守番
エアコンをつけていない室内での留守番も、熱中症の原因となります。閉め切った室内では、想像以上に室温が高くなり、直射日光が室内に入り込む状態や、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態での留守番は危険です。また、エアコンをつけているからといっても油断はできません。日のあたりやすい場所で留守番させるような場合には、エアコンの効きめが弱く、熱中症になる危険があります。
●蒸し暑い日や時間帯に散歩に連れ出す
蒸し暑い日中のお散歩も、熱中症の原因となります。真夏のアスファルトの上は50℃近くに達します。
地面近くを歩く犬は照り返しによる放射熱を受けやすく、一緒に歩く人間の想像以上に暑さの影響を受けるので、肉球をやけどする危険性もあります。
<応急処置として>
一刻も早く体を冷やし、水分補給することが大切です。冷水で濡らしたタオルを体(頭やわきの下、内股のつけね)にかけたり、体全体に冷水をかけるなどして、急いで体温を下げることが重要です。
なるべく早く病院につれて行き、獣医師の診察を受けましょう!
意識がない場合は冷水を体全体にかけるなどして急いで体温を下げる処置を行いながら病院に連絡をしていただき、一刻も早くご来院ください。
短頭種犬や太り気味の犬、老犬や子犬など、呼吸機能が弱い犬に発症しやすいので、そういった子は特に注意が必要です。私たちは洋服の着脱や快適な場所への移動で、自力での体温の調節が可能ですが、わんちゃんはどうでしょうか?
このくらいなら大丈夫かな?
少しの時間だから・・といってわんちゃんを危険にさらしてしまうことがないよう、熱中症について考えてみませんか?