コラム
低血糖について
『低血糖』とは?
体の中の糖分(血糖)が不足している状態の事を言います。
糖分(血糖)は、体のエネルギー源で、筋肉、肝臓、脂肪組織に蓄えられ、特に脳で1番多く利用されており、大きく不足すると命にかかわります。
<低血糖の症状>
・ぼーっとする、ぐったりする
・体が冷たい
・下痢や吐き気
・震えが出る
・けいれん発作や麻痺
特にけいれん発作や麻痺は脳の機能が低下していると起こる症状の為、早急に対応する必要があります。
<低血糖を起こしやすい子の特徴や原因・対策>
・生後3ヶ月位の子犬子猫
まだ体が小さいので糖分を肝臓に貯める能力が発達していない事が原因で起こります。特にプードルやチワワなどの小型犬に多い傾向があります。
また、空腹時に起こりやすいと言われているので、1日の食事回数を3回〜4回食と増やしこまめにエネルギー補給する事で糖分が不足する状況を防ぎ、病気の予防に繋がります。
・キシリトールの誤食
動物が食べてはいけない食べ物で人工甘味料としてよく使用されているキシリトールですが、動物の場合はキシリトールによっても低血糖になります。
誤食は私達が注意する事で防げるものなので、動物の届かないところに置く等注意してあげましょう。
・糖尿病を患っている子
糖尿病の子は治療の為、血糖値を下げるインスリンを注射します。
そのインスリンが何らかの要因で過剰に作用する場合があり、そこから低血糖を引き起こす事があります。
食事をあまり食べない状態でインスリンを多めに打つ、または体重の増減等により効きすぎてしまうことも要因の一つです。
定期的に体重を測ったり、血糖値を確認しつつ、その子の状態を日頃から見てあげましょう。
<処置・治療>
応急処置としては、砂糖水やガムシロップ、ブドウ糖など糖分を舐めさせる事が有効です。一度にたくさんは難しいので少しずつ与えていきましょう。
しかし、意識がない状態だと誤嚥する可能性もあります。
その場合、歯茎に塗ったり、舌の下に入れる等口腔内に塗るだけでも効果がある為、その子の状態にあった投与法で与え、なるべく早く病院時受診することをお勧めします。
受診後は足りない糖分を早急に補充する為、血液中へ直接糖分を注射し、全身に行き渡らせます。
血糖値や食欲が安定するまで数日入院になる場合もあります。
低血糖は小さいわんちゃん、ねこちゃんに起こりやすい症状です。
処置が遅れると命に関わる危険性が高い為、少しでもいつもと違う様子が見られたらすぐに病院へ受診しましょう。